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富士登山の夢を叶える時がきた。

コレシヨ。2013.創刊号より引用

祈りの心が刻まれた、世界に誇る名峰

世界遺産の富士山は、「文化遺産」としての登録。そう聞くと驚くかもしれません。荘厳な美しさの自然景観と、長いあいだ”信仰の対象”と”芸術の源泉”になってきたという文化的側面。この両方が一体化した「文化的景観」の価値が認定のポイントなのです。信仰の対象としての歴史を振り返ると、太古より神聖視され、噴火を鎮めようと現在地に浅間大社が建立されたのが平安時代初期の806年と伝わっています。平安時代後期には修験道の道場となり、やがて富士山は登拝する山として一般庶民にも広く知られるようになりました。さらに、多くの庶民が参拝と観光を兼ねて富士登山をするようになったのは江戸時代。登山道周辺には、人々の歴史がつくりあげた信仰に係わる祠や石碑、尊像などが一合目から頂上まで数多くあります。それらに見守られながら、いまでは夏山シーズンだけで年間30万人を超える登山者が、頂上を目指しています。

 

 

 

 

「富士山は簡単な山ではありませんが、

  決して登れない山でもありません」

憧れの富士登山には、どんな心構えや準備が必要なのでしょう。

これまでにたくさんの登山者をサポートしてきたガイドの池川利雄さんに伺いました。

富士山と向き合う、そのこと自体に深い意味がある。そんな、富士山からのメッセージが聞こえてくるようです。

 


 

山頂で感じる、神々の世界

富士山は言わずと知れた日本一の山です。決して楽ではない道のりですが、その頂きに立った時、きっと達成感と充実感で心が震えることでしょう。登頂者からは、「私頑張ったよ」「自分の中の何かが変わるかも」「人生、やり直せる」など、色々な声が飛び出します。富士山は人生の節目に登る方が多いのも、分かる気がします。山頂で見るご来光や下界の景色は格別で、神々の世界を感じさせます。

 

決意したその日からはじまる

富士山に登るからには、頂上まで登りたいと考えるのは当然です。しかし、やはりそこは日本で一番高い場所ですから、誰もが簡単に登頂できるというわけではありません。富士山に登ろうと決めた瞬間から、皆さんの富士登山は始まっています。登ると決めたその日から規則正しい健康的な生活を心がけましょう。特別なトレーニングをするというよりは、日々の健康管理がなによりの登頂の秘訣です。

 

 

安易な考えでは痛い思いをする

標高の高い富士山で軽装での登山はとても危険です。下界は夏の暑さでも、夜明け前の富士山頂は0度近くまで冷え込みます。安易な考えや装備で登ると痛いしっぺ返しを食らうことにもなりかねません。しっかりとした準備があっての富士登山成功といえるでしょう。 

 

富士山への理解を深める

富士山は世界文化遺産にも登録されるほどの文化的価値のある世界の宝です。遠い昔より人々の崇拝と信仰の山として大切にされてきました。登山道や山頂には信仰の山であることを感じさせる遺跡や建物があります。文化的側面も意識して登山すると、より深く富士山を知ることができるでしょう。また、登山中に利用する山小屋は、ホテルや旅館とは違うことを充分理解してください。水や物資が貴重な富士山では、普段の生活とは違い不便なのは当たり前なのです。「山は不便を楽しむもの」と割り切って富士登山を楽しみましょう。


 

頂上を目指すプロセスに大きな意味が

富士山に登ろうと思ったのはなぜでしょう?「日本人だから」「日本一の山だから」「自分への挑戦」「富士山に呼ばれたから」など、きっかけは人それぞれだと思います。理由はともあれ、登ろう、挑戦しよう、という気持ちをぜひ大切にしてください。

万一、山頂に辿りつけなくても、それは失敗ではありません。富士山の価値は頂上だけではありません。私は頂上を目指すプロセスにこそ、大きな意味があると感じています。世界が認めた富士山を、ご自分の足で踏みしめてみてください。

 

 

 


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